反芻する言葉

結婚されている方におききしたい。

 

ズバリ。プロポーズの言葉ってなんでしたか?

 

私たち夫婦は2009年に結婚したのだが、夫からプロポーズの言葉などなにもなかった。ただ一言。「(婚姻届を)書くぞ」とだけ。しかもそれは、同棲期間が長くて永遠に遊びほうけている可能性が高い私たちを見ていた実父から「おまえら、そろそろ結婚しろよ」と言われ、「わかりました」と夫が素直に従い、いい放った言葉なのである。そして、翌日、区役所へ婚姻届を提出したのだ。

 

結婚してください、とかそんなことを一度も言われたことがない。でも、一度だけ夫の心意をみれた言葉がある。

 

「ずっと一緒にいるぞ」

 

それは2004年、夏。上石神井の木造ぼろアパートに住んでいた当時学生だった夫。同じく学生だった私。ソファーでねころんでいる夫が突然に言った言葉だ。ふたりとも学生で、私は過去につき合った男性に同じことを言われたことがあり、でも、いとも簡単に別れた経験があったので、さして感動も、動揺もせず「わかった」とだけディスカバリーチャンネルを見ながら返答した。

 

その言葉が、唯一考えられる夫が私に言ったプロポーズの言葉だろうか。まさか、本当にずっと一緒にいるとは思わなかった。だって、なぁんにもロマンチックなシチュエイションじゃなかったのだ。夫の本気度を理解していなかったし。もしも、本気の言葉であれば、私も神妙な面持ちで「わかりました」と返答したのだがなぁ。

 

来年で結婚10年になる。その時はちゃんとした言葉をききたい。まぁ。、無理だと思うけど。