瞠目した歌詞

幸せは途切れながらも続くのです

 

これはスピッツ「スピカ」の歌詞の一部。上記に挙げた歌詞は瞠目すべき歌詞である。幸せは長くは続かない。でも、そこで幸せが終わることでもない。まさしく「途切れながらも続くのです」だ。これ、人生の真理だ。(「スピカ」は歌詞も素晴らしいのだが、メロディも素晴らしいのは言うまでもない。名曲なのでぜひ聴いてみてほしい。)

 

さて。

 

学生時代、大変お世話になった教授が退官なさるという。ご本人は自覚なさっていたかは知る由もないが、学内でもスパルタで有名な教授だった。ゼミは「人文科学なのに体育会系」と陰でウワサされていたほどキツかった。そんなゼミの末席の末席の末席を汚していた私であるが、教授からは厳しくも温かいご指導を多く賜った。教授の学恩には感謝しかない。なぜならば、現在の私の半分以上形成する資料や文献への接し方は、教授のご指導があってからこそ。(もちろん、その接し方が拙いのは私の責任であって、教授によるものではない。)しかし、私がもっと感謝しているのは「人として」「女性として」どのように生きるかを示していただいたことだ。ここで注意していただきたいのだが、教授から直接「あーだこーだ」言われたことは何一つないこと。教授は背中ですべてを語られていた。学問に対しての言葉は多く話されていたが、それ以外は決して多くを話されはしなかった。自分の可能性を信じていた学生時代。私は「幸せ」だった。現実に打ちのめされ「幸せ」が途切れたこともあった。でも、あの頃とは違うかたちだけど「幸せ」は細々と、そして途切れながらも続いている。