日本人に愛されているのか

友人とともにムンク展へ行く。もちろん、代表作「叫び」が目的だ。

 

「混んでいる」と想像していたが、本当に混んでいて驚いた。だって、土曜といえども朝一ですよ。行列しているではないか。舞浜の夢の国のアトラクション並みに並んでる。みなさん、ムンクが好きなんだなぁ……としみじみと感じる。本展覧会は、ムンク美術館所蔵のコレクションを中心に構成されている。私たちが知っている「叫び」は初来日とのこと。

 

どうにかこうにか入場するも、入り口付近は人の山で、作品を見ることができない。つーか、ここでこんなにつまずいていたら「叫び」までいくら時間があっても足りない!私たちは意を決して、「1ムンクとはだれか」「2家族」「3夏の夜」のコーナーをすっ飛ばし、「叫び」まで早歩きで向かった。ようやく「叫び」が展示されているコーナーへと到着。そこは混んではいたものの、入り口付近の混雑とは雲泥の差である。

 

「叫び」であるが、やっぱり人気作なので、「立ち止まらずお進みください」との監視員のアナウンス。ガーン、である。だって、見たい作品をすっ飛ばしてここまで来たんだよ。そりゃぁないよ。でも、そうはと言えないので、「観る」。私は既に、大塚国際美術館でも本作品は見ているのだが、やっぱり本物はいい。「叫び」は「4魂の叫び 不安と絶望」のコーナーにある。この作品らと一緒に見ると、ちょっと心がざわつく。ムンクの不安と絶望が、伝わった証拠である。私にとっていい感情ではないので、作品を離れることに。

 

「5接吻・吸血鬼・マンドンナ」からはゆっくりと見られる。私は「マドンナ」シリーズも好きなので、本物を見られれて大満足。あの暗い作品でも、心惹かれるのは、私のドス暗い心があることの証拠なのか。「6男と女 愛、嫉妬、別れ」も良かった。「すすり泣く娼婦」は絶望しか感じられず、心がざわざわしてくるのだが、なぜか目を離せなかった。

 

あーっという間に、ムンク展は終了。これは、中身がスカスカというわけではない。101点の作品が見られて、お腹いっぱい。おみやげコーナーは、ムンク展の雑貨がたくさんあって、目がうつる。展覧会にあわせて生産されたお菓子も人が多かった。人混みをかき分け、やっとのことでグッズを手に入れる。

 

本展覧会、総じて、ルーベンス展よりも良かった。ムンク展、なかなかやるよ。空いている頃合いを見て、またゆっくりと来館したい。

 

やっぱり、ムンク、日本人に愛されているのかなぁ。