クリスマス気分に憧れて

土曜日の夕方、アラフォーの私たち夫婦は思いついたように表参道へ向かった。あの、並木道のイルミネーションが目的である。アラフォーなので、脳内BGM山下達郎の「クリスマスイブ」。少々早い気もするがクリスマス気分を味わっても罰は当たるまいて。

 

ルンルン気分で向かったが、私たちの想像以上に若いカップルや女子組がたくさんいる。なんだか、私たち、浮いている。場違いかもと思わないでもなかったが、厚顔無恥なもので並木木道を闊歩をする。

 

イルミネーション、綺麗である。キラキラしている。空気が乾いているせいなのか、いつもよりキラキラ。表参道ヒルズもいつも以上に綺麗でオシャレに見える。ラグジュアリーブランドのお店も賑わっている。いつのまにか脳内BGMBzの「いつかのメリークリスマス」へ。

 

ゆっくりと12月のあかりがともり始め 慌ただしく踊る街を誰もが好きになる

 

 

 

本当にそのとおりだ。みんな、なんだかんだ言って12月を楽しんでいる。もちろん、そこには私たちも含まれている。

 

一通りイルミネーションを楽しんだ後、小腹が空いたのでカジュアルイタリアンのお店へ入る。少し騒がしい雰囲気だったが、そこは表参道、土曜日なのでしかたない。店のBGMもジャズ風にアレンジしたクリスマスソング。それも少々うるさい。まぁ。しょうがない。

 

とりとめのない話をビール片手に話す。「私たちが学生だった頃、クリスマスで表参道でイルミネーション楽しむなんて余裕なかった」「カジュアルでもこんなイタリアンのお店なんて入る勇気などなかった」なんてことを。私たちの「街」の基準は大学最寄り駅なので、場末の学生街にはイルミネーションもなければ、小洒落たイタリアンなんてものはなかったのである(現在でもない)。

 

いつからかこんなクリスマス気分を味わる余裕ができたのだろう?それは学生を卒業して、社会人になって小銭を手に入れられるようになったから?学生時代からなにも変わってないような気でいたのに、私たち変わってしまったんだね。贅沢になってしまったね。

 

そんなことを話していて、ビールがしょっぱくなってきた。湿っぽくなるのはイヤなので急いでお店を出る。

 

まるで絵に描いたようなクリスマスである(少々早いけどね)。楽しかった。そんな余韻にひたりながら千代田線改札口へと向かった。寒いから帰ったらまた酒を飲もうかな、と思いながら。