屈辱だったバイト

学生だった頃、お金がなくてバイトをばかりしていた。いろんなバイトをしたが、「単発バイト」は思い出しただけでもウンザリする。なので、私はよどのことがない限り「単発バイト」はオススメしない。

 

そもそも「単発バイト」とはなにか。それは、バイト会社に登録し、そこが指定する仕事先に派遣され、「好きな日にちを決めて働ける、一回限りのアルバイト」である。お給料もその日にもらえるので、急な出費があるときは便利……である。バイト会社からは「○○駅最寄の工場のお仕事」としか教えてもらえない。

 

単発バイトって大体が倉庫や工場等に派遣され、単純労働するだけなのだ。殺伐とした雰囲気の職場で、人間関係も悪い。質問しただけで怒鳴られらこともあった。私は、有名化粧品メーカーの工場、下町のネジ工場、某コンビニのサンドイッチ工場、佐急便の倉庫、新築マンションのビラ配りなどを経験した。ちなみに、未だに有名化粧品メーカーの商品は手にとることができない。もう、十年以上経つというのに。

 

そんな中でも、最も屈辱的だったバイトがある。

 

それは、都内競艇場。女性10人くらい。みんなおそろいのジャンパーを着て、短いスカートを履いて、競艇場入口に立ち、ニコニコしながら入場者に手ぬぐいをプレゼントする、という内容。それだけでも私の主義主張に反するものだったが、追い討ちかけるように責任者は私に向かって「メガネとって」と言い放ったのだ。結果は想像にお任せする。ただ、「最悪中の最悪」だったとだけは声を大にして言っておく。

 

バイト。それは人生に潤いをもたらし、豊かなものにするものなのかもしれない。だが、単発バイトだけはね……。皆さま、どうかお気をつけください。