ズボラの真面目

町医者に行った。生きにくいこととか、夏バテしてるとか、でもちゃんと出勤していることを話すためだ。町医者はフムフムと私の話を聞き、静かに言いはなった。「まだまだ甘い」と。

 

町医者「市川さん、もしかして及第点をとろうとしてるんじゃないの?」

私「最低限点でも及第はとったほうがいいんじゃないですか。人間として」

町医者「人生は30点でちょうどいい。市川さんは真面目すぎる」

私「はぁ」

町医者「もし、オレが市川さんの立場だったら会社なんて行かない。とにかく寝てる」

私「これでも、私、頑張ってる部類に入ってたんですね」

町医者「そう!頑張り屋だよ。もっとズボラでもいいんじゃないの?」

私「なるほど。ズボラに生きます」

町医者「そのかわり、旦那さんに感謝することを忘れないでね。ズボラ道を歩むのだから」

私「わかりました」

 

無精髭、Tシャツ、短パン、サンダル姿の町医者と話をして、私はまだまだ甘いと認識した。人間の落第者と思って落ち込んでいたんだけど、大丈夫だった。ここらで、もっとズボラとやらをやってやろうじゃないか。本気で。